Quick Answer: 炭化ケイ素砥石(SiC砥石)は、高硬度・高耐摩耗性を持つ炭化ケイ素(SiC)を主成分とした研削工具です。金属・セラミック・ガラス・石材などの精密研磨や切断に幅広く使用され、特に高温耐性・高効率・高表面精度が求められる加工に最適です。CanAbrasiveでは、黒色・緑色の炭化ケイ素砥石原料を安定供給しています。
1. 炭化ケイ素砥石とは
炭化ケイ素砥石は、炭化ケイ素(SiC)を主成分とした結合型研磨工具です。中央に貫通穴を持ち、回転運動により被加工物を研削・研磨・整形します。 高い硬度(モース硬度9.5前後)と脆性を併せ持つため、硬質金属、セラミック、ガラスなどの難削材にも適用されます。
SiC砥石は、一般的な酸化アルミナ砥石(Al₂O₃)に比べて熱伝導性が高く、切削抵抗が小さいため、熱変形を抑えながら精密仕上げを実現します。
2. 炭化ケイ素砥石の構造と主成分
SiC砥石は、研磨粒・結合剤・気孔の3要素で構成され、各構成要素が性能に直接影響します。
| 構成要素 | 主成分 | 化学式 | 機能 |
|---|---|---|---|
| 研磨粒 | 炭化ケイ素 | SiC | 高硬度・高熱伝導・高耐摩耗。主要な切削力を担う。 |
| 結合剤 | ビトリファイド / レジン / ゴム | – | 砥粒を固定し、形状安定性・強度を付与。 |
| 気孔 | 空隙 | – | 切削屑排出と冷却効率を改善。加工焼けを防止。 |
CanAbrasiveでは、黒色SiC・緑色SiCの粒度F12~F800、P2000までを提供しており、粒度と結合剤組成の最適化による砥石開発に対応可能です。
3. 炭化ケイ素砥石の製造工程
炭化ケイ素砥石の製造は、原料調合から焼結まで多段階にわたる精密プロセスです。
- 原料準備:高純度シリカとコークスを電気炉で反応させ、SiC粉末を生成。結合剤や充填材を加える。
- 混合・練り合わせ:粉末と結合剤を均一に混合し、粒度バランスを調整。
- 成形:プレス成形または射出成形により所定形状に加工。
- 乾燥・焼結:1,000〜1,400℃で高温焼結し、SiC粒子間の強固な結合構造を形成。
- ドレッシング:表面を研削して真円度・平面度を調整。
- コーティング・検査:保護層を形成し、寸法・硬度・気孔率を全数検査。
4. 主な種類と特徴
① 緑色炭化ケイ素砥石(Green SiC)
高純度SiC(>99%)を使用し、鋭い切れ味と高精度加工が可能。主に超硬合金・光学ガラス・セラミックなどの精密研磨に適します。
② 黒色炭化ケイ素砥石(Black SiC)
高靭性で衝撃に強く、鋳鉄・鋼・石材などの一般研削に最適。コストパフォーマンスにも優れています。
③ その他の形状砥石
- ストレートホイール:金属・樹脂部品の平面研削用。
- シリンダーホイール:工具刃・鋸刃の再研削に。
- カットオフホイール:高硬度金属や石材の切断用途に。
5. 各産業における用途
炭化ケイ素砥石は多様な産業で利用されます。代表的な用途は以下の通りです。
- 金属加工:鉄鋼・合金部品のバリ取り、刃物研削。
- 自動車産業:ブレーキライニング、ギア、エンジン部品の仕上げ研磨。
- セラミック・ガラス:高硬度非金属の精密切断・成形。
- 半導体:シリコン・SiCウェーハの研削、バックグラインド。
- 建設・石材加工:コンクリート研磨、天然石の整形加工。
6. アルミナ砥石との比較
| 項目 | 炭化ケイ素砥石 | アルミナ砥石 |
|---|---|---|
| 主成分 | SiC | Al₂O₃ |
| 硬度 | 非常に高い(9.5) | 中〜高(9) |
| 切削性 | 鋭く、熱がこもりにくい | ややマイルド |
| 用途 | 硬脆材・非鉄金属 | 鉄系金属・汎用 |
| コスト | やや高い | 比較的安価 |
7. CanAbrasive のSiC砥石原料供給
CanAbrasiveは、黒色炭化ケイ素(Black SiC)と緑色炭化ケイ素(Green SiC)を日本向けに安定供給しています。 各グレードはFEPA/JIS規格に準拠し、研削・ブラスト・耐火用途に最適化。
技術サポートチームが粒度選定・配合・焼結条件の最適化までサポートし、砥石メーカー・加工企業の高品質製品開発を支援します。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 炭化ケイ素砥石の寿命はどのくらいですか?
用途と研削条件により異なりますが、一般的にアルミナ砥石より寿命が長く、10〜30%高い研削効率を示します。
Q2. 黒と緑の炭化ケイ素砥石の違いは?
黒SiCは靭性が高く汎用向け、緑SiCは高純度で精密研削に適しています。
Q3. CanAbrasiveでは砥石製造用原料を提供していますか?
はい。粒度F12〜F800までのSiCグリットおよびP240〜P4000のマイクロパウダーを常時供給しています。
9. まとめ
炭化ケイ素砥石は、高硬度・高熱伝導・高効率という特性から、金属、ガラス、セラミックなど多分野で不可欠な研磨工具です。 適切なSiC粒度と結合剤を選択することで、加工精度と耐久性を両立できます。
CanAbrasiveでは、黒色・緑色炭化ケイ素を中心に、研磨材・耐火材・ブラスト用途向けに高品質SiCを提供しています。 詳細やサンプル希望は、お問い合わせください。