炭化ケイ素パウダーは、黒色(Black SiC) と
緑色(Green SiC) の2種類があり、用途や仕上げ要求に応じて使い分けられます。
どちらも高純度なSiC結晶を微粉砕・分級した高性能セラミック微粉末で、
研磨スラリー、耐火添加材、電子部品フィラー、セラミックスコンポジットなどに使用されています。
炭化ケイ素パウダー(SiCパウダー)は、シリコン(Si)と炭素(C)が共有結合した極めて安定な化合物を電気アーク炉で高温溶融し、 その結晶を粉砕・分級して得られる高純度セラミック微粉末です。結晶構造はダイヤモンドに次ぐ硬度を有し、 優れた耐摩耗性・熱伝導性・化学安定性を併せ持ちます。
熱伝導率は約270 W/m·K、モース硬度は約9.4。これにより、高温・高負荷環境下でも変質しにくく、 研磨スラリー、耐火原料、放熱フィラー、半導体基板材料など多様な分野で採用されています。 また、粒度はD50 = 0.3〜5µmの範囲で精密制御が可能で、表面処理・スラリー化・低金属不純物仕様にも対応しています。
CanAbrasiveでは、黒色SiCと緑色SiCの両グレードを取り扱い、 用途に応じて「耐久性重視」または「精密度重視」の最適なパウダーを提案しています。 研究開発用途から量産ラインまで、安定した粒度分布と純度を保証します。
黒色SiCパウダーは、高靭性・高耐摩耗性を特長とし、 金属・鋳鉄・セラミックスなど硬質素材の研磨やブラスト用途で多用されています。 熱伝導性と耐酸化性にも優れ、耐火材・鋳造補強材・樹脂強化フィラーとしても利用されています。
SiC含有量 | 98.5〜99.0 wt% |
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Fe₂O₃ | ≤ 0.25 wt% |
粒度レンジ | F230〜F800/D50 0.5〜5µm |
色調 | 黒色 |
高靭性により循環使用が可能で、ブラストメディアとしての寿命が長いのが特長です。
緑色SiCパウダーは、高純度(SiC≥99.5%)かつ高脆性の精密研磨グレードです。 結晶エッジが鋭く、ラッピング・ポリッシング・ウエハースライスなどの 精密加工・鏡面仕上げ工程で優れた平滑性を実現します。
SiC含有量 | 99.0〜99.5 wt% |
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Fe₂O₃ | ≤ 0.15 wt% |
粒度レンジ | F400〜F1200/D50 0.3〜3µm |
色調 | 緑色 |
低Na・低Fe仕様にも対応し、光学・電子分野の超精密工程に採用されています。
項目 | 黒色 SiC Powder | 緑色 SiC Powder |
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SiC純度 | 98.5〜99.0% | 99.0〜99.5% |
Fe₂O₃ | ≤0.25% | ≤0.15% |
硬度(モース) | 約9.2 | 約9.4 |
靭性 | 高い(タフ) | 中〜低(脆性) |
主な用途 | ブラスト・耐火・鋳造・構造材 | ラッピング・鏡面研磨・ウエハー加工 |
コスト | リーズナブル | 高純度ゆえやや高価 |
用途・粒度・純度・分布(例:D50/D90)・目標仕様(例:SiC≥99.0%)をご提示ください。最適なグレードをご提案します。