BFA vs WFA:違いと選び方|褐色・白色電融アルミナの特徴比較

Quick Answer: 褐色電融アルミナ(BFA)はボーキサイト由来の高靭性・高耐摩耗型研磨材で、 重研削・ブラスト・耐火材向き。 一方、白色電融アルミナ(WFA)は高純度酸化アルミナを電融した 高硬度・低汚染型研磨材で、精密研削・仕上げ・電子材料に最適。

目次

1. 電融アルミナとは

電融アルミナとは、酸化アルミニウム(Al₂O₃)を主成分とする人工コランダムです。 電気アーク炉で2000℃以上に加熱して溶融後、冷却・破砕して製造されます。 不純物の種類と含有量により、代表的な種類として 褐色電融アルミナ(BFA)白色電融アルミナ(WFA)があります。

2. BFAとWFAの基本的な違い

両者は「同じアルミナ系研磨材」ですが、その性能と用途は大きく異なります。 原料の違い(ボーキサイト vs 高純度アルミナ)によって、結晶構造・不純物・色調・機械特性が変化します。

比較項目 BFA(褐色電融アルミナ) WFA(白色電融アルミナ)
原料 ボーキサイト(Al₂O₃ + Fe₂O₃ + TiO₂) 高純度酸化アルミナ(Al₂O₃ ≥ 99%)
色調 茶褐色(鉄・チタン由来) 純白色(高純度アルミナ)
硬度 モース硬度 ≈ 9 モース硬度 ≈ 9
靭性 高い(欠けにくい) やや低い(切れ味重視)
耐熱性 優れる(融点 約2050℃) 非常に優れる(融点 約2050℃)
耐薬品性 良好(酸・アルカリに強い) 極めて良好(低鉄・低汚染)
代表用途 重研削、ブラスト、耐火材 精密研磨、ステンレス仕上げ、電子部品
コスト リーズナブル 高価(高純度ゆえ)

4. 用途別の適性と選び方

  • 重研削・粗加工: BFA が適切。靭性が高く、砥粒が欠けにくい。
  • 精密研磨・鏡面仕上げ: WFA が最適。切れ味と表面品位を優先。
  • ブラスト(塗装前処理・酸化スケール除去): BFA。コストと耐久性のバランスに優れる。
  • 電子部品・医療用セラミックス: WFA。低鉄・高純度で化学的安定性が必要な用途に。
  • 耐火材・キャスタブル: BFA。高温強度と耐食性を発揮。

5. コスト・純度・表面仕上げから見る使い分け

一般的には、次のように選定すると効率的です。

  • コスト優先・耐久性重視 → BFA
  • 仕上げ品質・低汚染重視 → WFA
  • 高温構造・耐火用途 → BFA
  • 精密切削・電子基板用途 → WFA

6. FAQ(よくある質問)

Q1. どちらも同じ硬度なのに違いがあるの?
A. はい。モース硬度は同程度でも、結晶の「靭性」と「破砕形態」が異なります。BFA は粘り強く、WFA はシャープに割れます。

Q2. ブラスト用途で WFA を使うメリットは?
A. ステンレスやアルミなど、鉄汚染を避けたいワークの場合に有利です。仕上げ表面の清浄度が上がります。

Q3. コスト差はどれくらい?
A. グレードや輸送条件により異なりますが、一般的に WFA は BFA より 20〜40% 程度高価です。

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