Quick Answer: 褐色電融アルミナ(BFA)はボーキサイト由来の高靭性・高耐摩耗型研磨材で、 重研削・ブラスト・耐火材向き。 一方、白色電融アルミナ(WFA)は高純度酸化アルミナを電融した 高硬度・低汚染型研磨材で、精密研削・仕上げ・電子材料に最適。
電融アルミナとは、酸化アルミニウム(Al₂O₃)を主成分とする人工コランダムです。 電気アーク炉で2000℃以上に加熱して溶融後、冷却・破砕して製造されます。 不純物の種類と含有量により、代表的な種類として 褐色電融アルミナ(BFA)と白色電融アルミナ(WFA)があります。
両者は「同じアルミナ系研磨材」ですが、その性能と用途は大きく異なります。 原料の違い(ボーキサイト vs 高純度アルミナ)によって、結晶構造・不純物・色調・機械特性が変化します。
比較項目 | BFA(褐色電融アルミナ) | WFA(白色電融アルミナ) |
---|---|---|
原料 | ボーキサイト(Al₂O₃ + Fe₂O₃ + TiO₂) | 高純度酸化アルミナ(Al₂O₃ ≥ 99%) |
色調 | 茶褐色(鉄・チタン由来) | 純白色(高純度アルミナ) |
硬度 | モース硬度 ≈ 9 | モース硬度 ≈ 9 |
靭性 | 高い(欠けにくい) | やや低い(切れ味重視) |
耐熱性 | 優れる(融点 約2050℃) | 非常に優れる(融点 約2050℃) |
耐薬品性 | 良好(酸・アルカリに強い) | 極めて良好(低鉄・低汚染) |
代表用途 | 重研削、ブラスト、耐火材 | 精密研磨、ステンレス仕上げ、電子部品 |
コスト | リーズナブル | 高価(高純度ゆえ) |
一般的には、次のように選定すると効率的です。
Q1. どちらも同じ硬度なのに違いがあるの?
A. はい。モース硬度は同程度でも、結晶の「靭性」と「破砕形態」が異なります。BFA は粘り強く、WFA はシャープに割れます。
Q2. ブラスト用途で WFA を使うメリットは?
A. ステンレスやアルミなど、鉄汚染を避けたいワークの場合に有利です。仕上げ表面の清浄度が上がります。
Q3. コスト差はどれくらい?
A. グレードや輸送条件により異なりますが、一般的に WFA は BFA より 20〜40% 程度高価です。
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