Quick Answer:炭化ケイ素(SiC)メーカーは用途(研磨材・耐火材・セラミックス・半導体)で得意分野が異なります。日本では日本カーボン、イビデン、富士見研磨材工業など、海外ではSaint-Gobain、Washington Mills、CUMI、Fivenが代表格。大量調達やコスト重視なら中国系(例:Sanhui / CanAbrasive)も有力です。粒度規格、純度、ロット安定性、納期・MOQ、実績を基準に比較しましょう。
目次
- 炭化ケイ素とは(用途とグレード)
- 日本国内の主なメーカー
- 海外の大手メーカー
- 中国サプライヤーと活用のコツ
- 用途別の比較ポイント
- メーカー選定チェックリスト
- FAQ
- 見積・サンプルのご相談
1. 炭化ケイ素(SiC)とは:用途と代表グレード
炭化ケイ素は硬度(モース9以上)、耐熱性、高い熱伝導率を持つ化合物。工業用途では主に以下に用いられます:
- 研磨材:黒色SiC(コスト・靭性重視)、緑色SiC(高純度・高硬度)。FEPA F/P、JIS粒度、微粉(μm)まで展開。
- 耐火材:耐熱・耐食性を活かしキャスタブルや煉瓦用骨材・粉末に。
- セラミックス:メカニカルシール、軸受、炉材など機械特性と耐摩耗性を活用。
- 半導体・基板:高耐圧・高温環境用のパワーデバイス向け。
2. 日本国内の主な炭化ケイ素メーカー
- 日本カーボン株式会社:SiCセラミックス(シール、軸受、治具)。高信頼性用途に実績。
- イビデン株式会社:SiC多孔体(DPFなど)。自動車・環境分野での量産力。
- 富士見研磨材工業(Fujimi):高精度SiC砥粒・スラリー。半導体・鏡面研磨系に強み。
- その他(日系素材/商社):用途別に研磨材、耐火原料、セラミックス部材を展開。
3. 海外の大手炭化ケイ素メーカー
- Saint-Gobain(仏):ブロック〜微粉、耐火・研磨・工業部材まで幅広い製品レンジ。
- Washington Mills(米):研磨用SiCで著名。黒/緑SiCの粒度バリエーションが豊富。
- CUMI(印):アジア有数の砥粒メーカー。コスト競争力と供給規模。
- Fiven(欧):特殊グレードや高純度粉に注力。高付加価値向け。
4. 中国サプライヤーと活用のコツ
中国は世界最大のSiC生産地で、河南・寧夏・青海などに集積。大量調達・短納期・価格優位が特徴です。
- CanAbrasive / Sanhui:黒色SiC/緑色SiCのF/P粒度〜マイクロパウダー、酸洗い品の供給、用途別推奨に対応。
- 選定ポイント:規格証明(COA/粒度分布)、ロット再現性、輸送条件(防湿)、カスタム粒度への対応力。
5. 用途別の比較ポイント(早見表)
用途 |
推奨タイプ |
重視指標 |
コメント |
サンドブラスト |
黒色SiC F16–F60 |
靭性・粒度一貫性・コスト |
酸洗いで清浄度を確保。再利用性も評価。 |
精密研磨/ラップ |
緑色SiC F800〜μm粉 |
高純度・粒度分布(D50/D90) |
表面粗さ目標に合わせて分級を指定。 |
耐火材 |
黒/緑SiC 粗粒〜粉末 |
化学成分、粒度レンジ、含水管理 |
骨材と粉末の配合最適化が寿命を左右。 |
セラミックス部材 |
高純度粉・反応焼結向け |
不純物(Fe2O3、SiO2、遊離C) |
焼結挙動を左右するためCOAの確認必須。 |
6. メーカー選定チェックリスト(コピペOK)
- □ 粒度規格(FEPA/JIS/ANSI)とターゲット粗さの一致
- □ COA/粒度分布(D10/D50/D90)・形状係数・密度データの提出
- □ 化学成分(Fe2O3、SiO2、Free Si、C、湿分)上限の合意
- □ 洗浄(酸洗い/水洗い)・乾燥工程・含湿管理の仕様確認
- □ ロット間ばらつきの管理方法(SPC/抜取頻度)
- □ 最小発注量(MOQ)・標準納期・在庫体制・緊急供給ルール
- □ 包装仕様(クラフト袋、トンバッグ)と防湿対策
- □ 用途別実績(事例)とトライアルサンプルの可否
7. よくある質問(抜粋)
Q1. 黒色と緑色、迷ったら?
コスト効率と靭性が要る研削・ブラストなら黒色、硬質材の精密加工なら緑色が基本。まずは目的粗さと材質から逆算して粒度とタイプを決めます。
Q2. 酸洗いと水洗いの違いは?
酸洗いは表面不純物の低減に有効で清浄度が上がります。用途により錆や汚染を嫌う場合は酸洗いを推奨。
Q3. 量産前に確認すべきテストは?
少量サンプルでの加工性・仕上がり粗さ・消費量・再利用性を確認。必要に応じ粒度分布の微調整を依頼します。
黒色/緑色SiCの各粒度(F12〜F2000、μm粉)を短納期でご提供します。用途(ブラスト、研削、耐火、セラミックス)と希望粒度・純度・数量をお知らせください。
※本ページは一般的な比較観点をまとめたもので、各メーカーの最新仕様は公式資料をご確認ください。