シリコン(Si)・ケイ素・二酸化ケイ素の融点とは?

Quick Answer

シリコン(ケイ素, Si)の融点は約1414℃であり、金属のように高い融点を持つ半金属元素です。 一方、二酸化ケイ素(SiO₂)の融点はさらに高く、約1713℃〜1728℃です。 両者とも耐熱性に優れ、半導体、ガラス、セラミックスなどの高温材料として広く利用されています。

シリコン(ケイ素)とは?

ケイ素(Silicon, 化学記号 Si)は、周期表の14族元素に属する半金属元素で、 地殻中で酸素に次いで多く存在しています。 自然界では単体としては存在せず、主に酸素と結合して二酸化ケイ素(SiO₂)や珪酸塩鉱物として存在します。

ケイ素は電気的には半導体として機能し、現代の電子産業(半導体チップ、太陽電池など)の基盤材料です。 また、酸化物(SiO₂)はガラスやセラミックスの主成分として重要です。

シリコン(Si)の融点と特性

シリコン(Si)の融点は1414°C(約1687 K)です。 この高融点は、シリコン原子が共有結合で強固に結ばれているためです。

物理特性(単体シリコン)

項目 説明
化学式 Si 元素ケイ素
融点 1414°C 強い共有結合構造による
沸点 3265°C 非常に高い蒸発温度
密度 2.33 g/cm³ 軽量で剛性が高い
結晶構造 ダイヤモンド型格子 高強度・高硬度
熱伝導率 149 W/m·K 熱拡散性が良い

シリコンは高温でも酸化しにくく、表面に形成されるSiO₂の保護膜により耐酸化性を保ちます。 この性質が、半導体チップ製造や高温センサーなどの分野で重宝される理由です。

二酸化ケイ素(SiO₂)の融点と構造

二酸化ケイ素(Silicon Dioxide, SiO₂)は、ケイ素と酸素が1:2の割合で結合した化合物で、 ガラス、石英、水晶の主要成分です。

SiO₂の融点は約1713°C〜1728°Cで、シリコン単体よりもさらに高温です。 これはSi-O結合の結合エネルギー(約800 kJ/mol)が非常に強く、分子構造が安定しているためです。

二酸化ケイ素の物理的特性

項目 特徴
化学式 SiO₂ シリカ
融点 1713〜1728°C シリコンより高い
密度 2.2 g/cm³(石英) 軽量な酸化物
熱膨張係数 0.5×10⁻⁶/K 非常に低い膨張性
屈折率 1.458(可視光) 光学用途に優れる

SiO₂は融点が高く、化学的にも安定しているため、 耐火材料、光学ガラス、半導体絶縁膜など幅広い分野で利用されています。

SiとSiO₂の融点・特性比較

項目 Si(シリコン) SiO₂(二酸化ケイ素)
化学式 Si SiO₂
融点 1414°C 1713〜1728°C
結合構造 Si–Si共有結合 Si–O–Si共有結合
用途 半導体、太陽電池、電子デバイス ガラス、光ファイバー、耐火材
特徴 導電性を持つ半導体 絶縁体・高耐熱性

高融点材料としての応用分野

  • 半導体産業:Siはトランジスタ・IC・パワー素子の基盤。
  • 光学・通信:SiO₂は光ファイバーやレンズ用ガラスの主成分。
  • 耐火・セラミック:SiO₂は耐火煉瓦・炉心管・コーティング材に使用。
  • 高温センサー:高融点を活かした温度検出素子に利用。

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FAQ(よくある質問)

Q1. シリコンの融点はなぜ高いのですか?

強固なSi–Si共有結合によって原子が三次元的に結びついているため、融解には大量のエネルギーが必要です。

Q2. 二酸化ケイ素の融点はどの程度の温度差がありますか?

Siより約300°C高い1713〜1728°Cで溶融します。ガラス製造や高温装置の耐火材として重要です。

Q3. 炭化ケイ素(SiC)の融点は?

SiCは約2700°C付近で分解します。SiやSiO₂よりさらに高温耐性を持つ材料です。

まとめ

シリコン(Si)と二酸化ケイ素(SiO₂)は、どちらも高融点で安定した物質ですが、 機能的には「半導体」と「絶縁体」という対照的な特性を持ちます。 これらの性質を活かし、電子・光学・耐火産業など多岐にわたる応用が進んでいます。

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