Quick Answer
グリーンシリコンカーバイド砥石(Green Silicon Carbide Grinding Wheel)は、 高純度の炭化ケイ素(SiC)を主原料とする高硬度の研削工具です。 主に超硬合金、セラミックス、ガラスなどの硬脆材料の精密研削に使用されます。 黒色炭化ケイ素砥石と比べて純度が高く、切削性能と仕上げ精度に優れるのが特徴です。
グリーンシリコンカーバイドとは
グリーンシリコンカーバイド(Green Silicon Carbide, 通称グリーンSiC)は、 高純度のシリカ砂と石油コークスに食塩を添加して電気炉で高温還元反応を行い製造される人工鉱物です。 炭化ケイ素(SiC)の純度は通常99%以上で、結晶構造が規則的かつ鋭い角を持ちます。
そのため、研削力が非常に高く、脆性材料を傷つけずに微細除去加工が可能です。 グリーンSiC砥石は、精密部品の仕上げ研削や高硬度セラミックスの成形研磨などに広く使用されています。
グリーンシリコンカーバイド砥石の特性
項目 | 特性値 | 特徴 |
---|---|---|
化学式 | SiC | 炭素とケイ素の化合物 |
純度 | ≧ 99% | 高純度で不純物が少ない |
比重 | 3.21 g/cm³ | 軽量かつ高強度 |
モース硬度 | 約9.5 | ダイヤモンドに次ぐ硬度 |
熱伝導率 | 120–200 W/m·K | 放熱性が高く焼けにくい |
耐熱温度 | 約1800°C | 高温環境下でも安定 |
この特性により、グリーンSiC砥石は「高温でも形状が崩れにくく、硬質素材を短時間で削る」ことが可能です。
グリーンシリコンカーバイド砥石の製造方法
1. 原料混合:高純度のシリカ砂と石油コークスを基材として、微量の食塩を加える。 2. 電気炉反応:約2,200〜2,480℃の電気抵抗炉で36時間焼成。 3. 冷却・粉砕:生成されたSiC結晶を粉砕・分級して希望粒度に調整。 4. 成形・焼結:結合剤(セラミック・レジン・ゴムなど)と混合し、砥石形状に成形・焼結。 5. 仕上げ・検査:バランス調整・寸法検査を行い製品化。
CanAbrasiveの緑色炭化ケイ素は、FEPA規格に基づいた粒度管理と高純度精製により、 一貫した性能と長寿命を実現しています。
グリーンシリコンカーバイド砥石の主な用途
- 超硬合金工具の研削:バイト、リーマ、ドリルなど高硬度工具の刃先研磨。
- セラミック・ガラス研削:精密電子部品、光学部品、セラミック基板の仕上げ加工。
- タングステンカーバイド研磨:耐摩耗部品や切削工具の再研削。
- 非鉄金属の表面仕上げ:銅、アルミ、真鍮などの鏡面研磨。
また、グリーンSiC砥石は摩耗が少なく、砥粒の自生作用(自ら鋭利刃を再生)により、 長期間安定した研削性能を維持します。
黒色炭化ケイ素砥石との違い
比較項目 | グリーンSiC砥石 | 黒色SiC砥石 |
---|---|---|
純度 | 高(≈99%以上) | やや低い(≈97–98%) |
硬度 | 高い | 中程度 |
耐摩耗性 | 非常に高い | やや高い |
加工対象 | 超硬・セラミック・ガラス | 鋳鉄・非鉄金属・石材 |
価格 | やや高価 | 比較的安価 |
精密仕上げや硬質材料の加工にはグリーンSiC、 一般研削や鋳造品加工には黒色SiCが適しています。
FAQ(よくある質問)
Q1. グリーンシリコンカーバイド砥石はどのような素材に使えますか?
超硬合金、セラミックス、ガラス、石英、非鉄金属など硬くて脆い素材に最適です。
Q2. 黒色砥石と比べて価格差はどれくらいですか?
グリーンSiC砥石は純度が高いため、一般的に黒色砥石より10〜20%程度高価です。
Q3. CanAbrasiveではどの粒度範囲を提供していますか?
FEPA規格のF12〜F1200まで幅広く対応しており、研削・研磨・マイクロパウダー用途をカバーしています。
まとめ
グリーンシリコンカーバイド砥石は、高硬度・高精度・高耐熱性を兼ね備えた研削工具であり、 精密加工や硬質材料の仕上げに不可欠な存在です。
CanAbrasiveでは、日本向けに高純度の 緑色炭化ケイ素(Green SiC)を安定供給し、 粒度・形状・結合剤のカスタマイズにも対応しています。