酸化アルミニウムの組成式はAl₂O₃|結晶構造・物性・用途を解説

酸化アルミニウムの組成式は Al₂O₃ です。 これはアルミニウム(Al)原子2個と酸素(O)原子3個からなる化合物で、「アルミナ(Alumina)」とも呼ばれます。天然ではコランダム(剛玉)やボーキサイトとして産出し、工業的にはセラミックスや研磨材、耐火材の原料として広く利用されています。

酸化アルミニウムの組成式と意味

酸化アルミニウムの化学組成式は Al₂O₃ で、アルミニウムイオン(Al³⁺)2個と酸化物イオン(O²⁻)3個から構成されています。化学的に安定で、融点は約2050℃と高く、耐熱性・耐摩耗性に優れます。

結晶構造(α型・γ型)

結晶系 特徴 用途
α-アルミナ 六方晶 安定相、高硬度・高熱伝導性 研磨材、耐火材、セラミックス
γ-アルミナ 立方晶 比表面積が大きい、不安定相 触媒担体、吸着剤

主な物性

  • 化学式:Al₂O₃
  • モース硬度:約9
  • 比重:3.95–4.0 g/cm³
  • 融点:約2050℃
  • 熱伝導率:20–35 W/m·K(α型)

用途と応用分野

  • 研磨材: 白色・褐色アルミナとして砥石や研磨布紙に利用
  • 耐火材: 高温炉や鋳造用耐火ブロック
  • セラミックス: 絶縁体、電子基板、ICパッケージ
  • 触媒担体: γ-アルミナを利用

よくある質問(FAQ)

酸化アルミニウムとアルミナは同じですか?

はい、酸化アルミニウム(Al₂O₃)の別名がアルミナ(Alumina)です。

酸化アルミニウムは水に溶けますか?

常温ではほとんど不溶ですが、強酸や強アルカリには反応します(両性酸化物)。

天然の酸化アルミニウムは何と呼ばれますか?

代表例は「コランダム(剛玉)」で、ルビーやサファイアも酸化アルミニウムの変種です。

参考文献・規格

  • JIS R 6121: アルミナ研削材規格
  • ISO 8486: Fused Alumina Specification
  • CRC Handbook of Chemistry and Physics
  • Springer: "Alumina: Fundamentals and Applications"

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