アルミナ サンドブラストとは: 溶融アルミナ(酸化アルミニウム, Al₂O₃)を研磨材として使用した表面処理方法で、金属・鋳物・ガラスなどのスケール除去や塗装前処理に広く用いられています。高硬度・耐摩耗性・安定した粒度分布により、鋭い切削力と均一な仕上げが得られるのが特徴です。
アルミナサンドブラストの基本情報
サンドブラストは圧縮空気を用いて研磨材を高速で噴射し、表面を清浄化または粗化する処理方法です。アルミナはモース硬度9を持ち、鋭いエッジを長時間維持できるため、サンドブラスト研磨材として最も一般的に使用されています。
使用されるアルミナの種類(白色・褐色)
種類 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
白色アルミナ (WFA) | 高純度・高硬度・不純物少ない | 精密ブラスト、電子部品、医療機器 |
褐色アルミナ (BFA) | 不純物含有・靭性高い・コスト効率良い | 鋼材研削、鋳物スケール除去、大型構造物 |
物性と性能比較
- モース硬度:約9
- 比重:3.9–4.0 g/cm³
- 粒度範囲:FEPA F24–F1200(粗砂からマイクロパウダーまで)
- 形状:ブロックを粉砕した鋭利な結晶
用途と応用分野
- 鋳物スケール除去: 鋳造後の酸化被膜や付着物を効率的に除去
- 塗装前処理: 表面粗化により塗膜の密着性を向上
- ステンレス・アルミ部品の表面処理: 均一で滑らかな仕上げ
- ガラスエッチング: 均一な梨地加工が可能
- 耐摩耗材製造: 高温環境下でも安定した性能
選定ポイントと粒度規格
アルミナ研磨材を選ぶ際の基準:
- 処理対象:鋼材か、非鉄金属か、ガラスか
- 仕上げ品質:粗仕上げか、精密仕上げか
- コスト優先か、純度優先か
粒度 (FEPA) | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
F24–F60 | 粗粒・切削力大 | 鋼材研削、スケール除去 |
F80–F180 | 中粒・バランス良い | 一般的なサンドブラスト |
F220以上 | 微粉末・仕上げ用 | 精密ブラスト、光学ガラス処理 |
よくある質問(FAQ)
アルミナと炭化ケイ素のサンドブラストの違いは?
アルミナは靭性が高く汎用性に優れ、コスト効率が良い。炭化ケイ素は硬度が高く切削力が鋭いが、脆いため用途が限られます。
何回リサイクルできますか?
アルミナは耐摩耗性が高いため、5–10回程度再利用可能です(条件により異なる)。
白色と褐色、どちらを選べばいいですか?
精密仕上げや非鉄金属なら白色、鋼材や大量処理なら褐色を推奨します。
参考文献・規格
- JIS R 6121: アルミナ研削材規格
- FEPA Standard for Fused Alumina
- ISO 8486: Fused Alumina Specification
- ASM Handbook: Surface Engineering