アルミナ価格推移(2019〜2025年)|日本市場の相場動向と今後の見通し

Quick Answer

日本国内におけるアルミナ(Al₂O₃)の平均取引価格は、2019年の約55〜60円/kgから、 2022年にはエネルギー高騰の影響で一時85円/kg前後まで上昇しました。 2024年以降は為替安定と供給回復により、約65〜70円/kgで推移しています。

アルミナとは

アルミナとは

アルミナ(酸化アルミニウム、Al₂O₃)は、 ボーキサイト鉱石を精製して得られる白色の無機化合物です。 主にアルミニウム精錬、耐火材、研磨材、セラミックス原料、 および吸着剤(活性アルミナ)として利用されています。

主な種類には以下が含まれます:

これらは用途・純度・粒度により価格が異なり、特に日本市場では輸入コストと為替動向が重要な価格決定要素となっています。

アルミナ価格の推移(2019〜2025年、日本市場)

以下は日本における代表的なアルミナ価格(輸入品ベース、円/kg換算)の推移です:

平均価格(円/kg) 主な動向
2019年 約55〜60円 安定供給期、為替安定。
2020年 約50〜55円 COVID-19による需要減少。
2021年 約70〜75円 中国の環境規制・原料高騰。
2022年 約80〜85円 電力価格上昇と円安による輸入コスト増。
2023年 約68〜72円 供給回復、エネルギー価格下落。
2024年(推定) 約65〜70円 為替安定と需要調整による小幅下落。

特に2022年は、エネルギー危機と為替相場(1USD=140円台)が重なり、 日本国内の調達価格が過去5年間で最も高水準となりました。

アルミナ価格変動の主な要因

① 原料コスト:ボーキサイト価格

ボーキサイトは主にオーストラリア、ギニア、中国から輸入されます。 輸送費や為替の変動がアルミナ価格に直接影響します。 ギニア政情の不安定化や港湾混雑が供給リスク要因となっています。

② 為替レート

日本ではアルミナをほぼ全量輸入しており、為替レートが価格に強く影響。 円安局面では輸入コストが上昇し、円高では逆に下落します。 特に2022年の円安局面では20%以上の価格上昇が見られました。

③ エネルギー価格

アルミナ製造には高温焼成が必要で、大量の電力・燃料を消費します。 電力料金上昇やCO₂排出制約が生産コストを押し上げました。

④ 需要構造の変化

EVバッテリー、半導体、研磨・耐火産業など、ハイグレードアルミナの需要が増加。 特に日本では、99.99%以上の高純度アルミナ(電子材料用)の需要が拡大中です。

日本市場の動向とCanAbrasiveの取り組み

日本のアルミナ市場は、年間消費量約120万トンと推定されています。 そのうち約85%を輸入に依存しており、主な供給国は中国・オーストラリア・インドです。

国内では研磨材用途が最も多く、 白色溶融アルミナ(WFA)褐色溶融アルミナ(BFA)が 精密加工・ブラスト処理・耐火材用途に広く使われています。

CanAbrasiveは、日本向けに安定供給体制を確立し、 円建てでの長期契約・ロット管理・技術サポートを提供しています。 複数港(横浜・名古屋・神戸)へのデリバリーに対応し、納期安定を重視しています。

今後の見通し(2025〜2030年)

  • 短期:2025年は65〜75円/kgのレンジで安定推移。
  • 中期:エネルギーコストが下がれば、若干の価格緩和が予想。
  • 長期:再エネ転換・EV向け高純度アルミナ需要により、再び上昇傾向へ。

今後の価格は「ボーキサイト供給」「円相場」「環境規制」の3要因により決定づけられます。 炭化ケイ素(SiC)や酸化マグネシウムなど他の耐火材との価格競合も進むとみられます。

FAQ(よくある質問)

Q1. 現在のアルミナの国内価格は?

2025年時点では、輸入品アルミナの平均取引価格は約65〜70円/kg(CIFベース)です。

Q2. 白色溶融アルミナと褐色溶融アルミナの価格差は?

WFAは純度が高く、BFAより約15〜20%高値で取引されます。

Q3. 今後価格が下がる見込みはありますか?

短期的には横ばい、長期的には需要拡大により上昇傾向が続くと予想されています。

まとめ

日本国内のアルミナ価格は、世界的な原料需給と為替の影響を強く受けています。 特にEV・電子・耐火分野の拡大により、高純度アルミナ需要が増加中です。 今後も65〜80円/kgの価格帯で推移する見込みです。

CanAbrasiveでは、安定供給・高純度グレード・迅速出荷を通じて、 日本の製造業・研磨業・耐火材業界をサポートしています。

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