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白色溶融アルミナ(WFA)と茶色溶融アルミナ(BFA)の違いは?用途別の選び方

最終更新: 2025-09-10 15:30:23

白色溶融アルミナ(WFA)と茶色溶融アルミナ(BFA)は、どちらもアルミナ系の代表的な研磨材です。用途は一部重なりますが、純度・硬度・靭性・コストが異なるため、目的に応じた選定が重要です。本記事では、両者の違いと用途別の選び方を分かりやすく整理します。

WFA と BFA の比較

項目 WFA(白色) BFA(茶色)
主原料 / 純度 高純度 Al2O3(一般に ≥ 99%) ボーキサイト由来 Al2O3(一般に 94–97%)
硬度 / 靭性 高硬度・やや脆い(シャープな切れ味) 硬くて靭性が高い(欠けにくく長寿命)
代表的な用途 精密研磨、電子・セラミックス、非鉄金属、表面仕上げ ブラスト、研削砥石、鋳物バリ取り、耐火キャスタブル
粒度レンジ F12–F240、P240–P6000 F12–F240、P240–P2500 ほか
コスト感 相対的に高い コストパフォーマンスに優れる
備考 鉄汚染を避けたい非鉄・ステンレス仕上げに好適 重切削・ブラストでの再利用性◎、総コストを抑えやすい

用途別の選び方(実務の目安)

  • ブラスト(錆落とし・塗膜剥離・アンカープロフィール): コスト・再利用性重視なら BFA。ステンレス・アルミ等で鉄汚染を避けたい場合は WFA
  • 研削砥石・切断:重研削や一般金属には BFA。硬脆材や精密仕上げには WFA。
  • 耐火材・キャスタブル:耐熱衝撃とコストのバランスで BFA。高純度系配合や鉄分管理が厳しい配合では WFA を検討。
  • 精密研磨・ラッピング:均一な切れ味と高純度が必要なら WFA(P 系微粉推奨)。

粒度(FEPA/JIS)の目安

  • 粗研削・重ブラスト:F16–F36
  • 一般研削:F46–F80
  • 仕上げ研磨:F100–F220 / P240–P800
  • 鏡面・精密:P1000–P6000(WFA 推奨)

詳細は FEPA 粒度表 をご参照ください。

よくある失敗と対策

  • プロファイル過多:粒度が粗すぎる可能性。1ランク細かい番手へ。
  • 切れ味低下が早い:被研削材に対し BFA の靭性過多かも。WFA や微粉への切替で刃先再生を最適化。
  • 表面汚染(褐色の付着):非鉄や SUS は WFA を検討。

見積り・サンプル依頼時にあると良い情報

  • 用途(ブラスト/研削/耐火など)、対象基材、要求仕上げ
  • 装置条件(圧力・速度・結合剤種 等)と希望粒度
  • 月間使用量見込み、希望梱包、必要書類(MSDS、COA、REACH)

用途に最適な粒度・分布をご提案します。お問い合わせからご連絡ください。

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