Quick Answer: ガラス研磨には、加工目的に応じて炭化ケイ素(SiC)または白色電融アルミナ(WFA)が最適です。 SiCは切削性・導熱性に優れ、粗研磨やハードガラスに最適。 WFAは高純度・高硬度で、光学ガラスや石英ガラスなどの精密仕上げに適します。
目次
1. ガラス研磨剤とは
ガラス研磨剤(ガラス研磨材)は、ガラス表面の平滑化・透明度向上・欠陥除去などを目的として使用される微粒子研磨材です。 用途は幅広く、光学ガラス、石英ガラス、ディスプレイ基板、液晶ガラス、プリズム、鏡面加工など多岐にわたります。 要求される仕上げ精度に応じて、研磨粒子の種類・粒径・硬度を選定する必要があります。
2. 炭化ケイ素(SiC)の特性と用途
炭化ケイ素(Silicon Carbide, SiC)は、高硬度(モース硬度9.2)、高熱伝導性、耐熱・耐薬品性に優れた非酸化物セラミックスです。 その鋭利な粒子形状により、ガラスの粗研磨・高速除去加工に適しています。
- 主な用途: 石英ガラス、耐熱ガラス、サファイア基板など硬質材料の一次研磨
- 特徴: 高除去率・低目詰まり・長寿命
- 粒度範囲: F12〜F220(粗研磨用)、F240〜F800(中研磨用)
→ 詳しくは 黒色炭化ケイ素(SiC)製品ページ をご覧ください。
3. 白色電融アルミナ(WFA)の特性と用途
白色電融アルミナ(White Fused Alumina, WFA)は、純度99%以上の酸化アルミニウム(Al₂O₃)を原料にした人工研磨材です。 高硬度(モース硬度9.0)・高純度・化学的安定性を備え、ガラスの精密仕上げ・鏡面加工に最適です。
- 主な用途: 光学ガラス、液晶ガラス、レンズ、鏡、プリズムの最終仕上げ
- 特徴: 低汚染・高純度・均一粒径で安定した表面品質を実現
- 粒度範囲: F600〜F1200(仕上げ・超仕上げ用)
→ 詳しくは 白色電融アルミナ(WFA)製品ページ をご覧ください。
4. SiCとWFAの比較と選び方
項目 | 炭化ケイ素(SiC) | 白色電融アルミナ(WFA) |
---|---|---|
主成分 | SiC(炭化ケイ素) | Al₂O₃(酸化アルミニウム) |
硬度(モース) | 9.2 | 9.0 |
靱性 | 中程度 | やや高い |
熱伝導性 | 非常に高い | 中程度 |
表面仕上げ | 粗〜中研磨向け | 精密〜鏡面研磨向け |
推奨用途 | 石英・サファイア・硬質ガラス | 光学・液晶・精密ガラス |
選定のポイント:
加工対象が硬く、高除去率が必要な場合はSiC、 最終仕上げや透明度・光学精度が要求される場合はWFAを選ぶのが一般的です。
FAQ(よくある質問)
- Q1. ガラス研磨に緑色炭化ケイ素は使えますか?
- A. はい。緑色SiCは黒色よりも純度が高く、光学ガラスなど高精度用途に適しています。
- Q2. ガラス表面に傷を残さないためには?
- A. 粒度を適切に選び、最後の工程ではWFAなど高純度材を使用することで、微細なスクラッチを防げます。
- Q3. どの粒度を選べばよいですか?
- A. 粗研磨:F80〜F180、中研磨:F220〜F400、仕上げ研磨:F600〜F1200が目安です。