酸化アルミナ研磨液とは?構成・特性・用途・選び方

Quick Answer: 酸化アルミナ研磨液(Al₂O₃スラリー)は、均一粒径の高純度三酸化二アルミニウムをベースにした高性能研磨材です。分散性と懸濁安定性に優れ、自動研磨機や平面研磨などで高い研磨効率と傷の少ない表面を実現します。多くは出荷時に最適濃度へ調整済みで、そのまま使用できます。

目次

酸化アルミナ研磨液とは

酸化アルミナ(化学名:三酸化二アルミニウム、Al₂O₃)は、高硬度・高安定性の酸化物です。これを微細粒子化し液中に分散させたものが酸化アルミナ研磨液で、均一な粒径により研磨中のスクラッチを抑え、滑らかな表面を得やすいのが特長です。多くの製品は工場出荷時に最適濃度へ調整され、希釈せずにそのまま使用できます。

主な特性(分散・硬度・安定性)

  • 均一粒径: 粒度分布が狭く、表面欠陥の発生を抑制。
  • 分散・懸濁安定性: 長時間の加工でも沈降しにくく、供給が安定。
  • 適度な硬度: 除去率と仕上げ面のバランスが良い。
  • 装置適合性: 自動研磨機、平面ラップ、グラインダー等に対応。

代表的な用途(自動研磨・平面研磨・加工ライン)

ステンレス鋼、アルミニウム合金、亜鉛合金、各種金属製品の表面研磨に広く用いられます。電子部品・光学・機械・医療など、高い品質が求められる分野での鏡面仕上げに適しています。

選び方のポイント(粒度・純度・分散性)

  • 粒度分布: 目標Ra/面粗さに合わせて選定。仕上げ重視は細粒、除去量重視はやや粗め。
  • 純度: 高純度Al₂O₃は不純物起因の欠陥や変色リスクを低減。
  • 分散性: 長時間加工でも沈降せず、ノズル詰まりを起こしにくい処方を選ぶ。

運用のコツ(希釈・条件最適化)

  • 出荷状態で使用可が基本。必要に応じて希釈率・pH・供給流量を微調整。
  • パッド/定盤条件(硬度・回転数・荷重)とスラリー流量の最適化で除去率と表面を両立。
  • ろ過・循環ラインの清浄度管理で安定加工を維持。

FAQ(よくある質問)

Q1. 酸化アルミナ研磨液と酸化シリカ研磨液の違いは?
A. 酸化アルミナは硬度が高く除去率に優れ、酸化シリカは柔らかく超仕上げに適します。工程の目的に応じて使い分けます。
Q2. どのような材料に使用できますか?
A. ステンレス鋼、アルミ合金、亜鉛合金、銅など幅広い金属材料に対応し、鏡面仕上げ用途で多用されています。
Q3. 濃度や粒度は調整が必要ですか?
A. 多くの製品はそのまま使用できますが、装置・ターゲットRaに合わせて希釈率や粒度分布を最適化すると良好な結果が得られます。

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