Quick Answer: 褐色電融アルミナ(BFA=Brown Fused Alumina)は、ボーキサイトを原料に電気アーク炉で溶融・冷却して得られる高靭性・高硬度のアルミナ系研磨材です。モース硬度はおおよそ9、真比重は3.90–3.95 g/cm³、耐熱性・耐摩耗性・耐薬品性に優れ、重研削・ショット/サンドブラスト・耐火材・鋳造・床材骨材まで幅広く使われます。
褐色電融アルミナ(BFA)は、高品位ボーキサイトを主原料とし、電気アーク炉で約2000℃以上に溶融後、冷却・破砕・分級して得られる人工コランダム(Al₂O₃主体)です。微量の酸化鉄(Fe₂O₃)や酸化チタン(TiO₂)を含むことで褐色の色調を示し、高靭性と優れた耐摩耗性が特徴。鋼材の重研削、ショット/サンドブラスト、耐火材、セラミックボンド砥石、床材骨材など、過酷環境に向く“タフな研磨材”です。
項目 | 代表値・備考 |
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主成分 | Al₂O₃(おおよそ 95–96.5%) |
真比重 | 3.90–3.95 g/cm³ |
嵩密度 | 1.50–2.10 g/cm³(粒度・整粒方法に依存) |
モース硬度 | ≈ 9 |
ヌープ硬度 | 約 1800–2100 kg/mm²(結晶方位や焼結条件で変動) |
熱膨張係数 | 7–8 ×10-6/K(代表値) |
熱伝導率 | おおよそ 20–30 W/m·K(焼結体・粒度により変動) |
融点 | 約 2050℃(Al₂O₃の融点) |
電気特性 | 高抵抗の絶縁体 |
形状 | 鋭い角を持つ砕石状、ブロッキー(blocky) |
色調 | 茶褐色(微量成分による) |
※上記は代表値です。原料品位、炉条件、破砕・整粒条件、粒度分布などにより変動します。仕様確認はTDSをご参照ください。
項目 | BFA(褐色電融アルミナ) | WFA(白色溶融アルミナ) |
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純度 | Al₂O₃ 95–96.5% | Al₂O₃ 99% 以上が一般的 |
靭性 | 高い(タフ) | 中~やや高(切れ味寄り) |
切削性 | 重研削・前処理向け | 精密研磨・低汚染仕上げ向け |
コスト | コスト効果が高い | 高純度ゆえ相対的に高め |
代表用途 | 重研削、ブラスト、耐火材 | 精密研削、ステンレス仕上げ、電子・医療分野 |
BFAは不燃性の無機粉体ですが、粉じん暴露は抑えるべきです。取り扱い時は防じんマスク・保護メガネ・手袋の着用、局所排気やこぼれ対策を推奨します。保管は乾燥環境・直射日光を避け、開封後は密封してください。詳細は製品別のSDS/TDSをご参照ください。
Q1. BFAの標準粒度レンジは?
A. FEPA F12–F220 を中心に、より粗粒・微粉、マイクロパウダーまで対応が可能です。用途(重研削、ブラスト、仕上げ)に合わせてご提案します。
Q2. BFAは何回くらい再利用できますか?
A.
設備・回収条件・対象材によって差がありますが、BFAは靭性が高く、一般的に循環回数が伸びやすい研磨材です。粉塵の分級、異物除去、破砕粒の入れ替えを適切に行うことで、総コストの最適化が可能です。
Q3. ステンレスの前処理にはWFAの方がよいですか?
A.
低鉄・低汚染を重視する仕上げ工程ではWFAが優位な場面があります。一方で前処理の生産性・コストを優先する場合、BFAが適するケースも多く、現場条件での使い分けを推奨します。
Q4. 耐火用途での使用ポイントは?
A. 粗粒~微粉を配合設計し、熱間強度・耐摩耗・耐食性など要求特性を満たす骨材としてご利用ください。バインダーや微粉比率の最適化で性能が大きく変わります。
Q5. 価格や納期は?
A. 粒度、等級、荷姿(25kg紙袋/フレコン)、数量、港条件によって変動します。お見積り時に用途・粒度・年間使用量・納入先をご提示ください。
関連リソース:
・BFA Guide(本ページ)|BFA vs
WFA:違いと選び方|BFAのブラスト用途|製品ページ:褐色電融アルミナ(BFA)
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